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“黄金の国”ジパングを輪島塗で表現。その挑戦が伝統を守り、新世界へいざなう

色彩豊かな表現に強みを持つ輪島塗ブランド千舟堂から誕生した、金色の漆を使った器シリーズ『ZIPANG(ジパング)』。極めて困難とされる黄金に輝く器の表現を、数年にわたる研究の末に実現。丈夫さと使いやすさ、優美さをあわせ持つ、ぐい呑みと飯椀に仕上げました。立体的な高蒔絵には、干支や伝統的な柄、漢字などをあしらい、『触りたくなる蒔絵』を演出。マルコ・ポーロが例えた“黄金の国 ジパング”を現代に表し、世界的注目が集まる2020年に向けて漆器の価値を伝え続けています。

ショップ紹介

ぐい呑み zipang「幸」|32,400円(税込)

千舟堂

創業以来「本物」にこだわり、個性を大切にした輪島漆器の制作、固定概念にとらわれない商品開発に定評のある輪島塗の千舟堂。2008年洞爺湖サミットでは歓迎晩餐会にて盃が公式採用されるなど、その技術は超一流。国際的に漆の魅力を紹介しています。

“黄金の国 ジパング”に思いを重ねる

今から700年以上前、ヴェネツィアの商人マルコ・ポーロは、アジア各地を旅してまとめた『東方見聞録』の中で日本を“黄金の国 ジパング”と紹介。その後の大航海時代に大きな影響を与えました。なかでも金蒔絵を施した漆器は、当時のヨーロッパ貴族を魅了しました。その黄金の輝きと立体的な蒔絵をコンセプトに、世界の注目が集まる2020年を迎える今、輪島塗のぬくもりを改めて世界へ発信する。それがZIPANGを作った輪島塗ブランド千舟堂の願いです。

輪島塗では珍しいカラーバリエーション

黄金の器ZIPANGシリーズは、ぐい呑み zipang (全10種)、飯椀 zipang (全5種)と2つのラインナップ。今回、新たに取り組んだのは「黄金」を漆で表現することでした。輪島塗は一般的に知られる黒の他、朱、溜、うるみ(茶)など基本的に5~6色程度で展開されます。しかし、千舟堂が持つのは21色(2018年7月現在)。新色への挑戦は、瑠璃色(青)の漆で地球儀を作るなど、カラーバリエーションをひとつのアイデンティティとしてきた彼らにとって真骨頂と言えます。しかし、器全体が黄金に輝く表現は極めて困難とされてきた仕様でした。

平らに塗ることさえ難しい作業を丁寧に何度も

「最初は平なところに金を塗ることから始めて、何回か試して塗れるようになりました。その後、金メッキとは違う、漆だからできることを検討しました。そして、ハケ目が漆の質感を出して評価されることに気づき、ふっくらした高蒔絵で絵を書いて差別化していきました」と、担当の岡垣祐吾氏。さらに「金色の漆は粉が細かいので、普通の漆と同じ感覚で塗ると金色の粉が下に沈んで表面に漆しか残りません。一方で、漆を薄めて使うと表面が弱くなる。だから、私たちは漆を3倍程度に薄めて、3回塗る。これで漆の塗膜層は従来に近くなりました。金色だと乾くのに時間がかかるし、お金もかかる作業ですが、普通は1回しか塗らない上塗りを3回塗って輝きを実現しています」と、開発の苦労を語ります。

豪華な蒔絵が見せる、新世界への探求心

「高価で簡単に買えるものではないと思いますが、まずは質の良さに触れて、選択肢に加えてもらうことが重要だと考えています。立体的な蒔絵の狙いは“触ってみたくなること”。つまり、手にとってみたくなることが大事で、そこから何かを感じて欲しい」と岡垣氏。なるほど、杯が満たされた時に浮かび上がる蒔絵は、酒の様々な表情を引き出し、日常の食卓や客人のもてなしなど色々なシーンで使いたくなります。きっと、その根底にあるのは輪島塗職人のこだわり。彼らが挑戦の末に生み出した黄金と蒔絵が、まるで新世界への探求心を引き出してくれるかのようです。それこそ、ZIPANG最大の魅力かもしれません。

[千舟堂が残したいモノ]

「広く言うと手仕事、細かく言うと分業制です。輪島塗は完成するまでに5~6人の職人さんが関わっている。もし一社だけの利益を優先するなら、吹き付けなどを使って効率的に安く作ることもできます。しかし、輪島塗は文化庁認定の技法に基づいた工程を経ている、全国で唯一の漆器。分業制の維持は、輪島の経済を支えるとともに、輪島塗のブランドを守ることにつながっていくと思います。そのためにお客様に感動していただけるものを、妥協せず真摯な姿勢で作り続け、お持ちいただくお客様の心を豊かにしたい。それが輪島塗に求められていて、伝統を残していくために必要なことだと思っています」

[千舟堂が伝えたいコト]

「高級品は棚にしまって、お客様にしか出さない方もいらっしゃると思いますが、できればしまわないでもらいたいです。もったいないから箱に入れて納めるのではなく、『使ってください』と伝えたい。私たちは毎年新商品を作るようにしていて、そこに“使う喜び”があるかどうかを主に考えています。例えば、一点ずつオーダーメイドの名刺入れや、ワイングラスのチャーム“シュリング”、薬味入れなど日常の様々なアイテムを作っているのは、そのためです。漆は木の樹液ですから、水を含んで固まります。だから、5年・10年と使えば使うほどにツヤが出る。修理して塗り直すこともできるので、普段から使ってもらえると嬉しいです」

ぐい呑み zipang「幸」

32,400円(税込)

輪島塗で極めて困難とされる、全体が黄金の器を2年かけて開発。雲母と金・銀色に強反射するケイ素を色材に、職人が表現にこだわり仕上げます。丈夫さ・使いやすさ・優美さをあわせ持った器です。

千舟堂

住所:石川県輪島市河井町20部1番地83
電話番号:090-5994-2903
Mail:senshudo@hotmail.co.jp

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